勤め先を変えました。
最近流行りの早期退職支援制度に応募しました。というか、応募せざるを得ない状況になったと言った所です。齢48歳にして職を失うという恐怖とともに、しがみついた先にある抑制された収入で家族が必要な教育を受ける機会を用意することの絶望的な困難さにも恐怖しました。
私の同期卒業は就職氷河期1期生として、前年までの売り手市場から一転、なんの準備もなく突き落とされた者どもです。新卒時にはなんとか正規雇用にありつき、途中一回の転職を挟みつつも25年、途切れずに就労してきた私のような比較的恵まれた者も、ロストジェネレーションの呪縛からは逃れることは出来なかったということです。定年までの残り時間が半分を折り返して十数年程度になったというのに、まだこの呪いは追いかけてきます。私たちに心安らぐ平穏は訪れることなど無いのでしょうか。(BGM:鉄のララバイ)
今は有給消化中です。この有給消化の期間に再就職の活動をしました。次の会社は決まりました。決まったのでこの記事を書いているという状況です。退職予定日の次の日から途切れる事無く働くことが出来ます。ありがたいことです。
幸運だと思っています。正規雇用になれない人のことを努力不足と言う人たちは多いですが、私にはそのような物言いは出来ません。おそらく正規雇用になれない人となんとか正規雇用になれた人の違いは新卒時に正規雇用になれたかどうかの違いに過ぎないのだと思っています。新卒時にありついた正規雇用はまさに私の努力だけの成果ではなく、幸運におおいに左右されたという認識があるからです。
今回の再就職活動では、履歴書を電子で作成するという経験が出来ました。 新卒時の就職活動では100部以上の履歴書を書いた記憶のある者としては時代の変化を感じずにはいられませんでした。
写真は、写真館で撮影してもらいましたが、データを手元に置いておくことが出来て、焼き増しは自宅の写真プリントで出来ました。
いざ一次面接となった時に、蘇ってくるのは新卒時の非常に厳しい、落とす為の面接の記憶。苦しくて苦しくてとてもつらかった記憶なのですが、今回は経済状況の変化もあり、新卒当時の様な圧力もなく、拍子抜けした感じがしました。まあ、それはそうですよね。
最近の求人票を見比べていて、ほぼ100%の会社で固定残業手当というキーワードが記載されていました。もちろん、固定残業の指定時間を超過すれば、支払う仕組みとセットです。働き方改革の過程で残業抑制が推進された結果、「ほぼゼロ」が実現されましたが、固定残業システムの無い中で残業ゼロは年収ダウンを意味しました。
そういった金額面で従業員が「生きれるか」、経営者が「払いきれるか」のバランスをとったら「固定残業手当」という仕組みに行き着いたのかと理解しました。サブスクリプションみたいですね。
これまでの職場では私より若いメンバーは、いわゆる「生活残業」をせざるを得ない者もおりましたが、客先との調整の結果で残業の必要ない業務量に調整されているので早かれ遅かれ指導対象になるのでしょう。その時に元の会社の給与体系が切り替わるのかもしれませんが、私は今後10年の生活資金計画を考えると待てませんでした。
正規雇用のロスジェネについても、こういった「呪い」はまだ忍び寄ってくるという実例をお示しできたと思います。故に非正規のロスジェネへの対策だけでは不足だということを私は考えています。
では、そんなわけで、残りの人生に大きな波乱が無いことを願ってやみません。